◇ABSOLUTE◇

A.O.G.2950以降度々目撃されるようになった特殊能力者の呼称で、それから五十年が経過したA.O.G.3000では「能力者」が当たり前の存在となっている。発火や念動、瞬間移動などのような、超自然的な特殊能力を行使できる。生まれ付き能力が覚醒している「先天性」と、精神の動揺などが引鉄となり覚醒する「後天性」の二種類がある。その超常的な能力を有効活用して社会に貢献している者が存在する一方で、非能力者との格差や差別、反能力者派の過激集団による凶悪犯罪などが社会問題となっている。

◆『AP』

ABSOLUTEが能力を発動する際、無意識に周囲に拡散して使うとされるエネルギー。これが切れると使用過熱オーバーヒートを引き起こす。APは睡眠などで体を休めると回復する。APが無いと能力は発動不可能。

 

◆『APゲージ』

能力者が一度に能力を発動できる回数や量で、消費量には個人差がある。

 

◆『APフィールド』

能力者の能力の効果が及ぶ領域で、範囲には個人差がある。APフィールドは基本的に不可視なので、自身の範囲を完全に把握している者は数少ない。

 

 


◇能力者一覧表◇

◆『二挺能力者ツインナチュラル

一万分の一の確率で誕生する、二つの能力を持ったABSOLUTE。このタイプの能力者は共通してオッドアイであるのが特徴。二つの能力を同時解放することも可能だが、身体に莫大な負担が掛かる上、AP消費が激しく使用過熱も起こりやすくなる。

➠『条件反射型二挺能力者カウンターアウト・ツインナチュラル

二挺能力者の中でも、更に稀有なタイプの能力者。普段は一つの能力しか使えないが、ある「条件」によりスイッチが発生し、別の能力が使えるようになる。また、片目が虚ろげにぼやけているのが特徴で、中にはスイッチすることで人格が変わる者もいる。

 

◆『人工能力者オルタナティブ

人工的に開発されたAPを注入し、能力を植え付けられた者のことを指す。A.O.G.2950に今の「ABSOLUTE」が制式化した後、その力を再現できるかどうかを確かめるべく始まった。人工能力者について社会的認知度は低い。何故なら、その実験内容が倫理に反するものが多いためであり、そもそも人工能力者の人数が相対的に少ないのも一因と言えよう。

 

◆『同調能力者シンクロアルター

他者の能力に「同調」し、それを行使できる特異な存在。同調能力者は能力未覚醒の常人がなり、最大の特徴は「自身のAPを消費して能力を代用する」こと。また、術者当人の瞳には、対象となる能力者の虹彩と同色の光を宿す。

 ➠充填能力者リボルバーアイズ

同調能力者の中でも極めて珍しい、同調済みの能力を最大六つまで「充填」できる者のこと。発動時、術者の視野にリボルバーの弾倉のような表示が見えるためにこの名が付いた。

 

◆『死醒能力者レイズデッド

死後、何らかの要因で甦生し、更にはABSOLUTEとして覚醒したという、極めて稀なケースの能力者。これに覚醒した者は、脱色したような白い肌色になるのが特徴。また、APの残滓には独特な「死臭」が付着しており、鼻が利く者ならば一発で死醒能力者の仕業だと見抜ける。

 

◆『電染能力者サイバーコード

仮想空間という限定された範囲内で能力を行使できる者。VRAゴーストならびにフェイカーコードなどもこれに該当する。能力を使用する際に、現実世界に拡張した仮想空間「VR-APフィールド」が必要となる。VRAによって展開されたこのエリアは、APジャマーなどの干渉を受けず、場所を問わず能力を行使できる。

➠『VR-APフィールド』

現実世界に投影した仮想のAPフィールド。VRAにより展開されるため、APジャマーなどの干渉を受けないのが大きな利点である。

 

◆『色彩能力者ペインシーカー

近年発現するようになった、新たなタイプのABSOLUTE。自律的にAPを放出できない代わりに、特定の色素からAPを抽出し、それを媒体として能力を発動する者のことを指す。また、その際に使われた色素は、APを抽出される度に少しずつ色が薄まっていく。

 

◆『派生能力者ディライバー

人工能力を注入された者が、その能力をベースとして自分だけの能力を発現したケースを指す。要するに、人工物と天然物の双方を併せ持つハイブリッド型。投与された人工能力が起爆剤となり、体内のAPが活性化し能力を得るプロセスとなっている。

 

◆『星閃能力者ハイクエーサー

星閃原髄スターエーテルを取り込むことで覚醒するABSOLUTE。APの供給源が宇宙空間にある全てのAPと直結しているため、ほぼ無限に能力を使い続けられる他、絶縁体質エジェクションを貫通し、APジャマーによる妨害も無効化する。また、能力を発動すると瞳に宇宙柄が浮かび上がる。

 

◆『屠奪能力者カットスローター

第三者からAPを奪い取り、抜き取った能力を自らのものにすることができる新型能力者。対象に接触してAPを抽出し、全て抜き取った上で肉体に浸透させることで能力を獲得する。能力を奪い取られた者はAPを持たない常人となるが、能力を奪取した者を屠ることで元に戻れる。

 

◆『絶縁能力者インタープレイ

自身以外のAPを「絶縁」し、能力を発動できる新型能力者。第三者の能力効果を打ち消し、自身の能力を発動できるのが最大の利点である他、中には絶縁体質エジェクションAPジャマーによる干渉を相殺できる者もいる。その一方で、外部からAPを補給できず、自力でAPを回復しなければならないというデメリットもある。

 

◆『複導能力者ゲノムペンデュラム

決められた「パートナー」と能力を共有または交換できる異質な能力者。その性質上、二人一組であることが前提条件となり、主に遺伝子を共有する兄弟姉妹や親子の間で覚醒することが多い。片方が能力を使用している間、パートナーも全く同じ能力を使える。ただし、APゲージも共有しているため片方が使用過熱オーバーヒートを起こせばもう片方も道連れになるリスクも抱えている。

 

◆『再醒能力者リジェネルート

何らかの要因で能力を失った能力者が、全く別の能力を覚醒させたことで誕生する新型能力者。但し、自然的に再醒できる確率は限りなく低く、しかも、元々二挺能力者ツインナチュラルとして覚醒する余地があったのではないかという指摘も出ている。だが、その謎をプロメテウスが思わぬ形で解明してみせる。

 


◇使用過熱/オーバーヒート◇

能力者はAPゲージが切れるまで能力を使い続けると、目眩や倦怠感などの症状が突発的に発生することがある。簡潔に言うと電池切れのようなもの。どんなに体力がある能力者でも使用過熱オーバーヒートが発生すると、最低でも半日以上は寝込んでしまう。


◇第三勢力/サードフォース◇

ごく一部のABSOLUTEに力を貸す、明瞭な姿を具現化させたAPの存在。強大なAPの集合体に自我などが芽生えたものと推測されるが、彼等が誕生する原理や過程は一切不明。大半は人の姿に酷似しており、適合者のAPと共存することで第三勢力を使えるようになる。


◇絶縁体質/エジェクション◇

数十万人に一人の確率で発生する、APを完全に受け付けず、自らAPを放出しない者のこと。絶縁体質エジェクションの持ち主は、いかなる手段を用いてもABSOLUTEには覚醒できず、度合いによっては能力効果すら弾いてしまうほど。


◇稀少人材/レアケース◇

稀少人材レアケースとは、ABSOLUTEの中でも極めて特異な者のことを指す。対象となるのは「絶対的」なもの。つまり、当人の死と共に失われ、他の手段では再現できないもののことである。これに指定された者は、人材回収機関のリストに名前が記され、常時監視されるようになる。


◇異能孤児/リレートオーファン◇

その名の通りABSOLUTEとして覚醒した孤児のことを指す。主に先天性として生まれたか、生まれてすぐ後天的に能力が覚醒し、その異質な力ゆえに捨てられるケースが多く、宇宙国際的にも問題視されている。未だにABSOLUTEに対する拒絶感が強いことを暗示した社会問題として取り上げられることが多い。


◇異能保護プログラム◇

AP-LABが提案した、稀少人材を保護する制度。しかし保護とは名ばかりで、その実態はほぼ軟禁生活に等しく、研究材料として用いられることも多々なのが実状である。一定期間、あるいは生涯にわたり、秘密の場所で居住させられる。また、解放時、プログラムに係わる記憶や情報は全て抹消される。


◇APの残滓◇

ABSOLUTEが能力を使用した際に生まれる。APの残滓は待機中に漂っているか、物品などに付着していることが多く、残滓の量や濃度については人それぞれ異なる。


◇確証遺物/アカシックレコード◇

ごく稀に発生する、能力を抽出できる媒体と化したABSOLUTEの肉体ならびにそのパーツ。ヴァルヴァトスの右腕などのように、本体から切り離された後もAPを宿し、能力を移植覚醒コピーペーストするための素材となることがある。発生原理は現時点では不明で、なおかつ人為的に確証遺物を作り出すことも不可能であるため、自然発生した物のみであることから稀少性は極めて高い。