『3rd Party』

忍び寄る、悪の脅威。

それは、仮想からの脅威。

それは、幽境からの悪鬼。

それは、銃筒からの弾罪。

それは、音速からの刺客。

それは、絶望からの慟哭。

それは、殲滅からの残滓。

それは、正義からの大罪。

 

これは、決して語られることのない、されど常に其処に在り続ける「第三者」の裏話。

 

混沌を極めたファントムペイン事件を経て、ヴァルヴァトス・ツァリコフはようやく「痛覚」を取り戻すことができた。けれども彼は、まだファントムペイン事件は終わっていないと感じていた。事件の首謀者であるトビアスは屠ったものの、霧のように消えていった真の黒幕ウェルズ・J・モリアーティの消息を掴めていないからだ。事件から一ヶ月が経過したある日、彼が所属するレイブンソードの下に奇妙な依頼が舞い込んできた。それは、正体不明の組織「サードパーティー」を壊滅せよというものだった。更に、ヴァルヴァトスの前にある一人の少女が姿を現した。よく見ると彼女の肉体には、かつてヴァルヴァトスが忌み嫌っていた自身の「右腕」が移植されていて……。

 


『564CiAO』

言い遺す暇すら与えない。

依頼に応じて標的を始末する暗殺者、それを育成するべく創設されたのが特務機関「CiAO」である。暗殺者としての素質を持つ者をスカウトし、暗殺者に必要な技術と能力を叩き込み、一流の暗殺者に育て上げるのがCiAOの目的である。それと同時に、CiAOには幾つかの暗黙のルールが存在する。一つは、自身がCiAOの暗殺者であることを誰にも知らせてはならないということ。そしてもう一つは、組織の存在を知った者を一人残らず消すということ。彼等は今日もまた、混濁した社会の闇に紛れ込み、標的の喉を掻き切らんとする。


『絶縁隔離遊星Panoptic』

偽りの理想郷が、崩壊する。

とある太陽系に属するとされる隔離惑星パノプティック。その星の存在を知る者は誰一人としておらず、パノプティックで生まれだ人々もまた、徹底された管理社会に囚われているが故に外界の様相を知らずにいる。しかし、高度に発展した理想郷での生活は、人々の心を豊かにし、恒久的な平和が約束されたと言っても過言ではない。ところがある日、突如として最低階級の犯罪集団「ローグ・バロン」が反旗を翻し、パノプティック全体を未曾有の大混乱に陥れた。その裏側に潜む、見えざる侵略者の正体とは……? 崩壊のカウントダウンが刻まれ出した偽物の理想郷で、人々は選択を強いられる。